【初心者向け】TypeScriptとは?JavaScriptとの違いから学ぶメリットまで徹底解説!

【初心者向け】TypeScriptとは?JavaScriptとの違いから学ぶメリットまで徹底解説!

【初心者向け】TypeScriptとは?JavaScriptとの違いから学ぶメリットまで徹底解説!
疑問に思う顔
「JavaScriptを勉強したけど、次は何を学べばいいんだろう?」
「最近よく聞くTypeScriptって、一体何者?JavaScriptと何が違うの?」

Web開発の世界、特にフロントエンド開発の現場で、今やスタンダードとなりつつある技術。それが**「TypeScript(タイプスクリプト)」**です。ReactやAngular、Vue.jsといったモダンなJavaScriptフレームワークと共に、その名前を目にする機会が急増しています。

 

一言でいうと、TypeScriptとは**「JavaScriptに、大規模な開発でも安心・安全に使えるようにするための、強力な『鎧(よろい)』や『安全装置』を追加した、スーパーセット言語」**のことです。

 

この記事では、プログラミング初心者や、JavaScriptを学び終えた方でもTypeScriptの正体がわかるように、わかりやすく解説していきます。あなたのJavaScriptスキルを、もう一段階上のプロフェッショナルレベルへと引き上げる、強力な武器の魅力に迫りましょう。

 

  • TypeScriptが生まれた背景と、その目的

  • JavaScriptとの決定的な違い:「型」とは何か?

  • TypeScriptを使うことの絶大なメリット

  • TypeScriptを学ぶためのステップ

TypeScriptの誕生背景:巨大化するJavaScript開発の「痛み」

TypeScriptの誕生背景:巨大化するJavaScript開発の「痛み」

 

TypeScriptを理解するには、まずその親である**「JavaScript」**が抱えていた問題を知る必要があります。

JavaScriptは、もともとWebページに簡単な動きをつけるための、小さなスクリプト言語として生まれました。非常に柔軟で、書きやすく、初心者にも学びやすいのが特徴です。

 

しかし、時代が進むにつれ、Webアプリケーションはどんどん複雑で大規模になっていきました。何万行、何十万行というJavaScriptコードで、巨大なWebサービスが作られるのが当たり前になったのです。

すると、JavaScriptの**「柔軟すぎる」という長所が、逆に「大規模開発における弱点」**として牙をむき始めました。

 

【JavaScriptの「痛み」の例】

ある関数が、ユーザーの年齢(数値)を期待しているとします。


function getNextAge(age) {
  return age + 1; // 年齢に1を足して返す関数
}

 

この関数を、JavaScriptでは以下のように、間違って呼び出すことができてしまいます。


getNextAge(20); // -> 21 (正しい)
getNextAge("20歳"); // -> "20歳1" (!?) 間違った文字列が返ってくる
getNextAge("山田"); // -> "山田1" (!?) 意味不明な結果に
getNextAge(); // -> NaN (Not a Number) エラーにはならないが、バグの原因

 

JavaScriptは、数値(Number)を期待している場所に、文字列(String)や、何も渡されなくても、エラーを出さずに「なんとなく」動いてしまいます。

小さなプログラムならこれでも良いかもしれません。しかし、これが何百人ものエンジニアが関わる大規模なプロジェクトだったらどうでしょう?

  • 「この関数には、何を渡せばいいんだっけ?」

  • 「他の人が作ったこの変数は、数値?それとも文字列?」

  • 「実行してみるまで、どんなエラーが起きるかわからない…」

 

このような問題が多発し、開発効率は低下し、バグの温床となっていました。

 

まるで、交通ルールが曖昧な巨大な交差点を、みんなが手探りで運転しているような、非常に危険な状態だったのです。

TypeScriptの登場:「型」という名の交通ルール

TypeScriptの登場:「型」という名の交通ルール

 

このJavaScriptの「痛み」を解決するために、Microsoftが2012年に開発・公開したのが**「TypeScript」**です。

TypeScriptが導入した、最も重要で強力な解決策。それが**「静的型付け(Static Typing)」、通称「型(Type)」**です。

 

「型」とは、簡単に言うと、変数や関数の引数・戻り値に、「これは数値(number)ですよ」「これは文字列(string)ですよ」といった、データの種類をあらかじめ明確に宣言しておくルールのことです。

 

先ほどの関数を、TypeScriptで書いてみましょう。


function getNextAge(age: number): number {
  return age + 1;
}

JavaScriptと非常によく似ていますが、age: number: numberという部分が追加されています。

 

  • age: number:引数ageは、**必ずnumber型(数値)**でなければなりません。

  • : number:この関数の戻り値は、**必ずnumber型(数値)**でなければなりません。

 

このように「型」を宣言すると、何が起きるのでしょうか?

もし、この関数を間違って呼び出そうとすると…


getNextAge(20); // -> OK!
getNextAge("20歳"); // -> エラー!「'string' 型の引数は 'number' 型のパラメーターに割り当てられません。」
getNextAge("山田"); // -> エラー!
getNextAge(); // -> エラー!「引数が必要です。」

なんと、プログラムを**実行する前(コードを書いている段階)**で、エディタが「そこ、間違ってますよ!」と、リアルタイムでエラーを教えてくれるのです。

これが「静的型付け」の力です。

 

交通ルール(型)を定め、それに違反する車(コード)が交差点(プログラム)に進入する前に、警察官(TypeScriptのコンパイラ)が未然に検知してくれる。これにより、JavaScriptが抱えていた多くの問題を劇的に改善できるのです。

 

TypeScriptは、最終的にJavaScriptになる

TypeScriptは、最終的にJavaScriptになる

 

ここで重要なポイントがあります。

「TypeScriptって、ブラウザで直接動くの?」

答えは**「No」**です。

 

Webブラウザが直接理解できる言語は、今も昔もJavaScriptだけです。

TypeScriptは、開発の段階でだけ使われる「開発用の言語」です。私たちが書いたTypeScriptのコード(.tsファイル)は、**「コンパイル(変換)」**という工程を経て、最終的にはブラウザが理解できるプレーンなJavaScriptコード(.jsファイル)に変換されます。

【TypeScriptの仕組み】

  1. 開発者:型などの安全装置がついたTypeScriptで、安全かつ快適にコードを書く。

  2. TypeScriptコンパイラ:書かれたTypeScriptコードをチェックし、問題がなければ、型情報などを取り除いた、ブラウザで動くJavaScriptコードに変換する。

  3. ブラウザ:変換された、ただのJavaScriptコードを実行する。

 

つまり、TypeScriptは**「JavaScriptのスーパーセット(上位互換)」**なのです。すべてのJavaScriptコードは、そのまま有効なTypeScriptコードとして扱えます。JavaScriptに、「型」という便利な機能を追加したものがTypeScript、という関係性を理解しておきましょう。

 

TypeScriptを使うことの絶大なメリット

TypeScriptを使うことの絶大なメリット

 

1. エラーの早期発見とバグの減少

最大のメリットです。実行時ではなく、開発時に型の不整合によるエラーを発見できるため、バグの多くを未然に防ぐことができます。

これにより、開発の品質と安定性が劇的に向上します。

 

2. コードの可読性と保守性の向上

コードを読むだけで、「この変数には何が入るのか」「この関数は何を返すのか」が型定義によって一目瞭然になります。

これにより、他の人が書いたコードも理解しやすくなり、将来の修正や機能追加(保守)が非常に楽になります。

 

3. 優れたエディタの補完機能(インテリセンス)

Visual Studio Codeなどの高機能なエディタと組み合わせることで、TypeScriptは最強の武器になります。

変数の型が分かっているので、エディタが「この変数では、こんなメソッドが使えますよ」と、候補を賢く表示してくれます。これにより、タイピングミスが減り、開発スピードが大幅に向上します。

 

4. 大規模・チーム開発に絶大な効果を発揮

メンバーの誰かが間違った使い方をしても、コンパイルエラーとしてすぐに検知できるため、大規模なプロジェクトになればなるほど、その恩恵は大きくなります。

TypeScriptは、チーム開発における「共通言語」であり「安全規約」の役割を果たしてくれるのです。

 

TypeScriptを学ぶには?

TypeScriptを学ぶには?

 

TypeScriptは、JavaScriptの知識が前提となります。

  1. まずはJavaScriptの基礎を固める
    変数、関数、オブジェクト、配列、制御構文といった、JavaScriptの基本的な文法と概念をしっかり理解することがスタートラインです。

  2. TypeScriptの「型」を学ぶ
    JavaScriptの基礎があれば、TypeScriptの学習はそれほど難しくありません。学ぶべきは、numberstringbooleanといった基本的な型から、arrayobjectinterfacetypeといった、より複雑な型定義の方法です。

  3. 学習リソース

    • 公式ドキュメント(TypeScript Handbook):最も正確で網羅的な情報源です。日本語版もあります。

    • Udemyなどの動画教材:ハンズオン形式で、実際にプロジェクトを作りながら学べる講座が豊富にあります。

    • 入門書籍:『プロを目指す人のためのTypeScript入門』(インプレス)など、質の高い入門書も多数出版されています。

 

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まとめ

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TypeScriptは、単なる新しい言語ではありません。それは、JavaScriptという自由奔放な天才を、大規模な共同作業でもその才能を最大限に発揮できるように、規律と安全装置を与えてくれる、最高のパートナーです。

 

「型」という交通ルールを導入することで、開発時のエラーを未然に防ぎ、コードの可読性を高め、チーム開発を円滑にする。そのメリットは計り知れず、現代のフロントエンド開発において、もはやデファクトスタンダード(事実上の標準)となりつつあります。

 

JavaScriptの基礎を学び終え、次のステップに進みたいと考えているなら、TypeScriptの学習は、あなたの市場価値を大きく高め、より複雑で、より大規模な開発に挑戦するための、必須のスキルとなるでしょう。

 

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