【初心者向け】PL(プロジェクトリーダー)とは?PMとの違いから役割、なり方まで徹底解説!

【初心者向け】PL(プロジェクトリーダー)とは?PMとの違いから役割、なり方まで徹底解説!

【初心者向け】PL(プロジェクトリーダー)とは?PMとの違いから役割、なり方まで徹底解説!
将来のことを考える人のイラスト(男性)
「エンジニアとして数年経ったら、次のキャリアはどうなるんだろう?」
「チームをまとめるリーダーって、具体的にどんなことをするの?」

 

IT業界でエンジニアとしてキャリアを積んでいくと、多くの人が最初に経験する「リーダー」のポジション。それが**「PL(プロジェクトリーダー)」**です。

PM(プロジェクトマネージャー)という言葉はよく聞くけれど、PLとは何が違うのでしょうか?

 

一言でいうと、PLとは**「PMが立てた計画に基づき、数名~十数名の開発チームを現場で直接率いて、割り当てられたタスクを完遂させる、開発現場の頼れるキャプテン」**のことです。

 

大規模な合戦に例えるなら、戦全体の戦略を立てて全軍を指揮するのが「総大将(=PM)」だとすれば、PLは**「総大将から与えられた持ち場を守り、部下(チームメンバー)に直接『突撃!』『防御せよ!』と号令をかけ、最前線で共に戦う、部隊長」**のような存在です。

 

この記事では、IT業界初心者や、若手エンジニアの方でもPLの仕事がわかるように次の内容をわかりやすく解説していきます。

 

  • PMとの決定的な違い

  • PLに求められるスキル

  • PLになるためのステップと、その先のキャリア

 

PLの具体的な仕事内容:現場の「実行」をリードする

PLの具体的な仕事内容:現場の「実行」をリードする

 

PLの仕事は、プロジェクト全体の管理ではなく、担当する**「チーム」の管理と「タスク」**の実行にフォーカスしています。PMが描いた「設計図」を、実際に「形」にするための現場指揮官です。

 

1. タスクの分解と割り振り:「誰が」「何を」「いつまでに」を明確にする

PMが作成したWBS(作業分解構成図)をもとに、自分のチームが担当するタスクを、さらに具体的な作業レベルまで細かく分解します。

  • タスクの洗い出し:「ログイン機能の実装」というタスクを、「画面設計」「データベース設計」「コーディング」「単体テスト」といった、数時間~数日で完了する単位まで細分化します。

  • 工数見積もり:それぞれの作業に、どれくらいの時間(工数)がかかるかを見積もります。これは、メンバーのスキルや経験を考慮して行います。

  • 担当者の割り振り:メンバー一人ひとりの得意分野やスキルレベル、現在の負荷状況を考慮し、「この作業はAさん」「このテストはBさん」と、最適な担当者を割り振ります。

 

この作業の精度が、チームの生産性を大きく左右します。

 

2. チームの進捗管理:「遅れ」の兆候をいち早くキャッチ

メンバーにタスクを割り振ったら、その進捗を日々管理していきます。

  • 日々のコミュニケーション:朝会や夕会などを通じて、メンバーの進捗状況や、困っていることがないかを確認します。「昨日からこの部分で詰まっていて…」といったメンバーからのSOSを早期に発見することが重要です。

  • 進捗の可視化:ガントチャートやカンバンといったツールを使い、チーム全体の進捗状況を「見える化」します。これにより、誰が見ても「どこが遅れているのか」が一目でわかります。

  • PMへの報告:チームの進捗状況を定期的にPMに報告します。もし遅れが発生している、あるいは発生しそうな場合は、その原因と対策案を添えて報告する責任があります。

 

3. 品質の担保とレビュー:「チームの成果物」に責任を持つ

チームが作成したプログラムや設計書が、求められる品質基準を満たしているかを確認するのもPLの重要な役割です。

  • コードレビュー:メンバーが書いたプログラムコードをレビューし、「設計通りに実装されているか」「効率の悪い書き方をしていないか」「バグが潜んでいないか」をチェックし、改善点をフィードバックします。

  • テストの計画・実施:自分たちのチームが作った機能が正しく動くかを確認する「単体テスト」や「結合テスト」の計画を立て、実施を管理します。

  • 成果物の品質チェック:設計書やテスト報告書といったドキュメント類が、定められたフォーマットや基準に沿って作成されているかを確認します。

 

4. チームのモチベーション管理と技術的支援:共に戦う「頼れる先輩」

PLは、単なる管理者ではありません。チームメンバーが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、環境を整え、サポートする役割も担います。

  • 技術的な問題解決:メンバーが技術的な壁にぶつかった際、相談に乗ったり、一緒に解決策を考えたり、時には自ら手を動かして手本を見せたりします。

  • モチベーションの維持:メンバーの頑張りを認め、ポジティブなフィードバックを与えたり、過度な負荷がかかっているメンバーがいれば、タスクを調整したりします。チームの雰囲気を良く保つ、ムードメーカー的な役割も期待されます。

 

PMとの決定的な違いは「責任の範囲」

PMとの決定的な違いは「責任の範囲」

 

PLとPMの役割は密接に関連していますが、その責任の範囲と視点が明確に異なります。

PL(プロジェクトリーダー) PM(プロジェクトマネージャー)
ミッション 現場でタスクを完遂させ、成果物を完成させること プロジェクト全体を成功させること
責任の範囲 チーム内部(メンバー、成果物の品質、担当範囲の納期) プロジェクト全体(予算、全体の納期、顧客満足度、経営層への説明)
視点 ミクロ(今日のタスクは?この機能の品質は?) マクロ(全体の進捗は?予算は?リスクは?)
例えるなら 最前線の部隊長 全軍を率いる総大将

 

簡単に言うと、PLは「中」を向き、PMは「外」を向いています。 PLはチームのメンバーと成果物に向き合い、PMは顧客や経営層、そしてプロジェクト全体に向き合うのです。PLがしっかり現場を固めてくれるからこそ、PMは安心して対外的な折衝や全体管理に集中できるのです。

 

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PLのやりがいと求められるスキル

PLのやりがいと求められるスキル

やりがい

  • チームでモノづくりをする達成感:一人で開発するのとは違い、チームメンバーと協力して、より大きな機能やシステムを完成させたときの達成感は格別です。

  • メンバーの成長を実感できる喜び:自分が指導した若手メンバーが成長し、活躍する姿を間近で見られるのは、リーダーならではの喜びです。

  • マネジメントへの第一歩:エンジニアとしての技術力に加え、人を動かし、タスクを管理するというマネジメントスキルを身につけることができ、キャリアの幅が大きく広がります。

 

求められるスキル

  • 高い技術力(テクニカルスキル):メンバーからの技術的な相談に乗ったり、コードレビューを行ったりするため、チームの中で最も技術に詳しい存在であることが理想です。

  • コミュニケーション能力:メンバーの状況を正確に把握し、的確な指示を出し、時には相談に乗る、双方向のコミュニケーションが求められます。

  • タスク管理能力:複雑な作業を分解し、優先順位をつけ、計画的に進める能力。

  • 問題解決能力:現場で発生する様々な技術的・人的な問題を、冷静に分析し、解決に導く力。

 

PLになるには?そして、その先のキャリアは?

PLになるには?そして、その先のキャリアは?

PLは、エンジニアキャリアにおける重要なマイルストーンです。

 

PLになるまでのステップ

PLは、経験の浅いエンジニアが突然なれるものではありません。

  1. エンジニアとして実務経験を積む(3~5年)
    まずは一人の開発者として、プログラミングや設計、テストといった一連の開発プロセスを経験し、高い技術力を身につけることが大前提です。

  2. サブリーダーとしてリーダーを補佐する
    いきなりPLを任されるのではなく、まずはPLの補佐役(サブリーダー)として、一部のメンバーの面倒を見たり、進捗管理を手伝ったりすることから始めるのが一般的です。

  3. PLへ
    サブリーダーとしての実績や、日頃の仕事への積極的な姿勢、後輩への指導などが評価され、小規模なチームのPLを任されるようになります。

 

PLのその先のキャリア

PLとして経験を積んだ先には、大きく2つの道が拓けます。

  • マネジメントの道(PMへ):現場のリーダーから、プロジェクト全体の責任者であるPMへとステップアップする、最も王道なキャリアパスです。

  • 技術の道(テックリード/ITスペシャリストへ):マネジメントよりも、あくまで技術のエキスパートとして現場の最前線に立ち続けたいと考える人は、チームの技術的な意思決定を担う「テックリード」や、特定の分野を極める「ITスペシャリスト」を目指します。

 

まとめ

まとめ

PL(プロジェクトリーダー)は、エンジニアとしての技術力と、リーダーとしての人間力を兼ね備え、開発現場の最前線でチームを勝利に導く、頼れるキャプテンです。

PMのように華々しいスポットライトを浴びることは少ないかもしれませんが、チームメンバーからの信頼を一身に受け、共に汗を流し、モノづくりを成功させる喜びは、何物にも代えがたいものです。

エンジニアとしてスキルを磨き、次のステップとして「チームを率いてみたい」「後輩を育ててみたい」という気持ちが芽生えたなら、それはあなたがPLという新たなステージに進むべきサインかもしれません。

 

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