【SEは本当に高年収?】職種別・平均年収ランキング(令和5年 賃金構造基本統計調査 参照)

【SEは本当に高年収?】職種別・平均年収ランキング(令和5年 賃金構造基本統計調査 参照)

【SEは本当に高年収?】職種別・平均年収ランキング(令和5年 賃金構造基本統計調査 参照)

 

SE(システムエンジニア)は「専門職で高収入」というイメージがありますが、他の職種と比べると、その立ち位置はどのあたりなのでしょうか。

今回は、厚生労働省が発表した最新の「令和5年 賃金構造基本統計調査」に基づき、SEと他の主要な職種との年収を比較したランキングを作成しました。

このランキングを見れば、SEという仕事の経済的な価値や魅力が、客観的なデータからより明確になるはずです。

 

調査の前提

  • SEの定義: SEに最も近い職種として「システムコンサルタント・設計者」のデータを採用します。

  • 算出方法: 年収 = (「きまって支給する現金給与額」 × 12ヶ月) + 「年間賞与その他特別給与額」

  • データ出典: 厚生労働省「令和5年 賃金構造基本統計調査」

 

【2023年版】主要職種別・平均年収ランキング(SEは9位)

【2023年版】主要職種別・平均年収ランキング

順位 職種名 平均年収 SEとの差額
1位 医師 1,428.9万円 +650.7万円
2位 航空機操縦士(パイロット) 1,146.5万円 +368.3万円
3位 大学教授 1,113.6万円 +335.4万円
4位 管理的職業従事者(部長・課長など) 1,047.8万円 +269.6万円
5位 法務従事者(弁護士など) 981.8万円 +203.6万円
6位 大学准教授 890.7万円 +112.5万円
7位 経営コンサルタント 789.2万円 +11.0万円
8位 公認会計士、税理士 779.6万円 +1.4万円
9位 システムコンサルタント・設計者 (SE) 778.2万円
10位 不動産鑑定士 757.2万円 -21.0万円
11位 小・中学校教員 752.7万円 -25.5万円
12位 記者、編集者 724.2万円 -54.0万円
13位 獣医師 659.6万円 -118.6万円
14位 建設・土木技術者 636.3万円 -141.9万円
15位 薬剤師 632.7万円 -145.5万円
16位 ソフトウェア作成者 (プログラマー) 557.3万円 -220.9万円
17位 看護師 518.0万円 -260.2万円
18位 デザイナー 498.8万円 -279.4万円
19位 理学療法士、作業療法士など 450.4万円 -327.8万円
20位 一般事務従事者 418.0万円 -360.2万円

ランキングから見るSEの立ち位置と考察

ランキングから見るSEの立ち位置と考察

1. SEは日本の全職種の中でもトップクラスの高年収職

ランキング全体を見渡すと、SE(システムコンサルタント・設計者)は9位に位置しており、日本の主要な職種の中でも紛れもなくトップクラスの高収入な職業であることがわかります。

トップ5は医師やパイロット、大学教授、法務従事者(弁護士など)といった、極めて高度な専門知識や国家資格を必要とし、参入障壁が非常に高い職種が占めています。SEはこれらの職種には及ばないものの、それに次ぐ高い水準を誇っています。

 

2. 伝統的な「士業」と遜色ない年収水準

特筆すべきは、公認会計士・税理士(8位:779.6万円)とほぼ同水準であり、不動産鑑定士(10位)や獣医師(13位)、薬剤師(15位)といった他の専門職や国家資格職を上回っている点です。

弁護士や会計士といった伝統的な難関資格職と肩を並べるほどの収入を得られるという事実は、現代社会におけるITの重要性と、それを支えるSEの価値の高さを明確に示しています。

 

3. IT業界内でのキャリアパスの重要性

このランキングには、SEと関連の深い「ソフトウェア作成者(プログラマー)」も16位に入っています。その平均年収は557.3万円であり、SE(システムコンサルタント・設計者)の778.2万円とは年間で約220万円もの差があります。

これは、同じITエンジニアという括りの中でも、キャリアパスによって年収が大きく変わることを示唆しています。

 

  • ソフトウェア作成者: プログラミングやテストといった「下流工程」が中心。

  • システムコンサルタント・設計者: 顧客の課題解決や要件定義、システム設計といった「上流工程」が中心。

 

より上流の工程を担い、ビジネスへの貢献度が高い役割を担うことで、年収は大きく向上する傾向にあることがデータから読み取れます。

 

4. SEの「コストパフォーマンス」の高さ

医師やパイロットになるには、高額な学費や特殊な訓練が必要です。弁護士や公認会計士になるにも、超難関の国家試験を突破しなければなりません。

一方でSEは、必須の国家資格があるわけではなく、理系・文系を問わず、本人の学習意欲と適性次第で目指すことができます。

参入障壁が他のトップクラスの専門職に比べて低いにもかかわらず、実力次第で彼らに匹敵する高収入を目指せるという点で、非常に「コストパフォーマンス」の高い職業であると言えるでしょう。

 

まとめ

賃金構造基本統計調査のデータから、SE(システムコンサルタント・設計者)は、他の専門職と比較しても非常に年収の高い、魅力的な職業であることが客観的に証明されました。

その年収は、薬剤師や建設技術者などを上回り、公認会計士や経営コンサルタントといった職種と肩を並べる水準にあります。

もちろん、この高収入は、常に進化する技術を学び続ける知的好奇心と、複雑な課題を解決する論理的思考力、そしてプロジェクトを前に進める実行力といった高い能力が求められることの裏返しでもあります。

ITの力で社会を支え、自らの市場価値を高めながら高い報酬を得たいと考える方にとって、SEは間違いなく目指す価値のあるキャリアパスと言えるでしょう。