【初心者向け】ネットワークエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!

【初心者向け】ネットワークエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!

【初心者向け】ネットワークエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!
疑問に思う顔
「スマホでYouTubeがサクサク見られるのはなぜ?」
「会社のパソコンから、どうやってプリンターにデータが送られているの?」
「世界中の人と、どうやってオンラインゲームで繋がっているの?」

私たちが毎日、当たり前のように利用しているインターネットや社内ネットワーク。

この「繋がる」という当たり前を、裏側で設計し、構築し、守っているのが**「ネットワークエンジニア」**です。

 

一言でいうと、ネットワークエンジニアとは**「コンピューター同士が正しく、速く、安全に通信するための『情報の通り道』を創り、維持する専門家」**のことです。

 

例えるなら、都市の交通網を整備する「都市計画家」兼「交通整備員」。どこに高速道路(太い回線)を通し、どこに一般道(細い回線)を配置するかを計画し、信号機(ルーター)や標識(スイッチ)を設置して、車(データ)が渋滞なく、安全に、そして確実に目的地にたどり着けるようにする仕事です。

 

この記事では、IT知識ゼロの初心者の方でもネットワークエンジニアの仕事がわかるようにわかりやすく解説します。

 

  • ネットワークエンジニアの具体的な仕事内容

  • なぜネットワークエンジニアが重要なのか?

  • 仕事のやりがいと大変さ

  • ネットワークエンジニアになるためのステップ

 

ネットワークエンジニアの仕事:「繋がる」を実現する全工程

Wireframe

 

ネットワークエンジニアの仕事は、一度作って終わりではありません。

企画段階から、構築、そして日々の運用まで、ネットワークの一生に寄り添います。

 

1. 設計フェーズ:「最適で快適な交通網」の青写真を描く

すべての始まりは、顧客の「こんなネットワークが欲しい」という要望をヒアリングすることからスタートします。

 

  • 要件定義:「本社と新しく作る支社を、安全に繋ぎたい」「社員が増えるので、Wi-Fi環境を強化したい」「Webサイトへのアクセスが増えてきたので、もっと速く表示されるようにしたい」といった要望を具体化します。

  • 基本設計・詳細設計:要件に基づき、ネットワーク全体の構成図(トポロジー)を描きます。

    • 使用する機器の選定:どんなルーター(異なるネットワークを繋ぐ機器)、スイッチ(同じネットワーク内の機器を繋ぐ機器)、ファイアウォール(不正な通信を防ぐ壁)を使うか、その数や性能を決めます。

    • IPアドレスの設計:ネットワーク上の機器に割り振る、インターネット上の「住所」であるIPアドレスの割り当て計画を立てます。

    • セキュリティ設計:どこまでの通信を許可し、どこをブロックするか、といったセキュリティポリシーを設計します。

    • 冗長性の設計:一台の機器が故障しても、別のルートで通信が継続できるように、予備の経路(冗長構成)を設計します。

 

この設計フェーズは、ネットワークの性能、安定性、安全性を決定づける、最も重要な工程です。

2. 構築フェーズ:青写真を「現実のネットワーク」にする

設計図が完成したら、いよいよ「工事」の開始です。

 

  • 機器の設置:データセンターやオフィスのサーバー室で、ルーターやスイッチといったネットワーク機器をラックに設置し、LANケーブルを配線します。物理的な力仕事も伴います。

  • 機器の設定(コンフィグレーション):パソコンをネットワーク機器に接続し、コマンドライン(黒い画面に文字を打ち込むCUI)を使って、設計書通りに一つひとつの機器に設定を投入していきます。IPアドレスの設定、ルーティング(経路制御)の設定など、地道で精密な作業が求められます。

  • テスト:すべての設定が終わったら、設計通りに通信ができるか、意図しない場所に通信できてしまわないか、性能は出ているかなどを徹底的にテストします。

 

3. 運用・保守フェーズ:「交通網」を24時間365日守る

ネットワークは、一度構築したら終わりではありません。安定して稼働し続けるように、日々の運用と保守を行います。

 

  • 監視:専用のツールを使って、ネットワーク機器の状態や通信量(トラフィック)を常に監視します。「通信が遅くなっている」「特定の機器の負荷が高い」といった異常の兆候をいち早く検知します。

  • 障害対応:「インターネットに繋がらない」「社内システムにアクセスできない」といったトラブルが発生した際、原因を切り分け、迅速に復旧作業を行います。ネットワークの障害は、多くのユーザーに影響を与えるため、スピードと正確性が命です。まさにネットワークの「お医者さん」です。

  • 構成変更:「新しい部署ができたので、ネットワークを追加したい」「セキュリティを強化したい」といった要望に応じて、既存のネットワークの構成を変更・拡張します。

 

ネットワークエンジニアの重要性

ネットワークエンジニアの重要性

 

私たちの社会は、もはやネットワークなしでは1秒も成り立ちません。

 

  • ビジネスの生命線:企業の業務システム、メール、Web会議、クラウドサービスの利用など、あらゆるビジネス活動はネットワークの上で動いています。ネットワークが止まることは、会社の心臓が止まることに等しいです。

  • 社会インフラの一部:金融機関のオンライン取引、交通機関の運行管理、電力やガスの供給制御など、社会の重要インフラもネットワークによって支えられています。

  • 新しい技術の土台:これからますます普及するIoT(モノのインターネット)、5G、AIといった技術も、すべては高速で安定したネットワークという土台があって初めて実現します。

 

このように、ネットワークエンジニアは、現代社会の「血液」とも言える情報の流れを司る、極めて重要な役割を担っているのです。

ネットワークエンジニアのやりがいと大変さ

ネットワークエンジニアのやりがいと大変さ

 

社会基盤を支える仕事ならではの、喜びと苦労があります。

 

やりがい

  • 社会を支えているという実感:自分の仕事が、多くの人々の生活やビジネスの基盤を支えているという、強い使命感と誇りを感じることができます。

  • トラブルを解決したときの達成感:大規模なネットワーク障害の原因を突き止め、自分の手で復旧させたときの達成感は格別です。多くの人から「助かった、ありがとう」と感謝されます。

  • 目に見える形で成果がわかる:自分が設計・構築したネットワークが、実際に多くのデータをスムーズに流しているのを見ると、大きな「モノづくり」の喜びを感じられます。

 

大変さ

  • 責任の重さとプレッシャー:ネットワークの障害は影響範囲が広く、ビジネスに大きな損害を与える可能性があります。そのため、常に高い緊張感と責任感が求められます。

  • 夜間・休日の緊急対応:ネットワークのメンテナンスや機器の入れ替えは、利用者が少ない夜間や休日に行われることが多く、障害は24時間いつ発生するかわかりません。

  • 学習し続ける必要がある:新しい通信技術やセキュリティの脅威が次々と登場するため、常に最新の知識を学び続ける姿勢が不可欠です。

 

ネットワークエンジニアになるには?

question

 

未経験からでも、正しいステップを踏めばネットワークエンジニアを目指すことは十分に可能です。

 

  1. ネットワークの基礎知識を徹底的に学ぶ
    まずは、ネットワークの仕組みを理解することがスタートラインです。**「TCP/IP」**という通信の基本的なルールや、OSI参照モデルといった概念を学びましょう。書籍や学習サイトでの学習が有効です。

  2. 資格を取得して知識を証明する
    ネットワークの知識は目に見えにくいため、資格がスキルの客観的な証明として非常に強力な武器になります。

    • CCNA (Cisco Certified Network Associate):ネットワーク機器の最大手であるシスコシステムズ社が認定する資格。業界のデファクトスタンダード(事実上の標準)であり、これを取得すれば、ネットワークの基礎知識があることの強い証明になります。まずはこの取得を目指しましょう。

  3. 実機に触れてみる
    中古のネットワーク機器(ルーターやスイッチ)を購入したり、シミュレーターソフト(Cisco Packet Tracerなど)を使ったりして、実際にコマンドを打ち込んで設定してみる経験は、理解を深める上で非常に重要です。

  4. 運用・監視業務からキャリアをスタート
    未経験の場合、まずはネットワークの監視センター(NOC)などで、運用・保守の仕事からキャリアを始めるのが一般的です。ここで実務経験を積み、障害対応のスキルを磨きながら、徐々に構築や設計といった上流工程へとステップアップしていきます。

 

関連記事

将来性のあるIT業界で、専門スキルを身につけて活躍したいでも、 何から勉強すればいいの? 実務経験ゼロで本当に採用される?」膨大な求人情報の中から、自分に合った企業をどうやって見つけるの?   現代において[…]

未経験からSEへ!初心者のための転職サイト&エージェント徹底解説14選

 

まとめ

まとめ

 

ネットワークエンジニアは、デジタル社会の「繋がる」という根幹を支える、地味ながらも極めて重要な仕事です。その手にかかれば、単なるコンピューターの集まりが、情報を交換し、協力し合う、生きたシステムへと生まれ変わります。

論理的な思考力、地道な作業を厭わない忍耐力、そして社会基盤を支えるという強い責任感。これらの資質を持つあなたにとって、ネットワークエンジニアは、大きなやりがいと安定したキャリアを築ける、最高の職業となるでしょう。

 

関連記事

「Webサイトのデータって、どこに保存されているの?」「スマホゲームのセーブデータは、どうしてどの端末からでも同じ状態で始められるの?」 私たちが普段何気なく利用しているWebサイトやオンラインサービス。 その膨大なデータを[…]

【初心者向け】サーバーエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!