【初心者向け】Go言語とは?人気の理由から将来性、できることまで徹底解説!

【初心者向け】Go言語とは?人気の理由から将来性、できることまで徹底解説!

【初心者向け】Go言語とは?人気の理由から将来性、できることまで徹底解説!
疑問に思う顔
「最近、Go言語(ゴーゲンゴ)ってよく聞くけど、どんな言語なの?」
「PythonやRubyと、何が違うの?」
「シンプルで、処理がすごく速いって本当?」

数あるプログラミング言語の中で、近年、特にサーバーサイド開発の現場で、急速にその存在感を増している、シンプルかつパワフルな言語。それが**「Go言語(Golang)」**です。

Googleによって開発されたこの言語は、Web業界の巨人たち(メルカリ、Docker、YouTubeなど)に採用され、多くのモダンなソフトウェアの根幹を支えています。

 

一言でいうと、Go言語とは**「複雑化しすぎた現代のソフトウェア開発を、原点回帰の『シンプルさ』と、C++のような『圧倒的な処理速度』、そして『安全な並行処理』という強力な武器で解決するために、Googleが設計した、実用主義のプログラミング言語」**のことです。

 

この記事では、プログラミング初心者の方でもGo言語の魅力と哲学がわかるように、わかりやすく徹底的に解説していきます。

 

  • Go言語が生まれた背景と、その目的

  • Go言語の決定的な特徴(シンプル・高速・並行処理)

  • Go言語で、具体的に何が作れるのか?

  • Go言語の将来性と、学ぶメリット

 

 

物語の始まり:巨大化したソフトウェアと、Googleの悩み

物語の始まり:巨大化したソフトウェアと、Googleの悩み

 

Go言語の価値を理解するには、まず、それが生まれた2000年代後半のGoogle社内が、どんな課題を抱えていたかを知る必要があります。

 

当時のGoogleでは、

  • ソフトウェアの規模が、爆発的に巨大化していた。

  • 数千人ものエンジニアが、一つのコードベースを同時に触っていた。

  • 数万台ものサーバーが、連携して動いていた。

このような環境で、当時主流だった C++ や Java といった言語を使って開発を続けるうちに、いくつかの深刻な問題が顕在化してきました。

 

  • コンパイルが、とにかく遅い:C++のような言語は、コードを少し修正しただけで、プログラム全体を再コンパイル(コンピューターがわかる言葉に翻訳)するのに、何十分、時には何時間もかかった。エンジニアは、その待ち時間でコーヒーを何杯も飲むしかなかった。

  • コードが、とにかく複雑:Javaのような言語は、非常に多機能で、一つのことを実現するのに、様々な書き方ができてしまう。これが、大規模なチーム開発では、人によって書き方がバラバラになり、コードが読みにくく、メンテナンスしにくい「複雑さ」を生み出していた。

  • 並行処理が、とにかく難しい:現代のマルチコアCPUの性能を最大限に引き出すには、複数の処理を同時に(並行して)動かす「並行処理」が不可欠。しかし、C++やJavaで安全な並行処理を書くのは、非常に難易度が高く、バグの温床となっていた。

 

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Go言語の誕生:「Less is More(少ないことは、より豊かなことだ)」

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「もっと、シンプルで、コンパイルが速くて、安全に並行処理が書ける、21世紀のサーバー開発のための言語が必要だ!」

この切実な課題を解決するために、Googleの伝説的なエンジニアたち(ケン・トンプソン、ロブ・パイクなど、C言語やUnixの開発にも関わった巨人たち)が集結し、2009年に開発・公開したのが**「Go言語」**です。

 

Go言語の設計思想は、非常に明確です。

それは、**「余計なものを、徹底的に削ぎ落とす」**という、引き算の美学です。

 

他の言語が、次々と新しい機能を追加して「多機能」になっていくのに対し、Go言語は、プログラミングにおける本質的でない複雑さを、あえて排除しました。

**「書き方が一つに決まるなら、その方が良い」「機能は少ない方が、覚えることも少なくて済む」**という、実用主義に基づいています。

 

この**「シンプルさ」**こそが、Go言語の最大の武器なのです。

 

Go言語の3つの強力な特徴

Go言語の3つの強力な特徴

 

1. シンプルで、学習しやすい文法

Go言語は、プログラミング言語として、意図的に「小さく」設計されています。

 

  • キーワードが少ない:言語仕様として覚えるべきキーワード(ifforfuncなど)が、わずか25個しかありません。(JavaやC++は50個以上)

  • 書き方の自由度が低い:例えば、ループ(繰り返し)の構文はfor文の一つだけ。他の言語にあるwhiledo-whileはありません。これにより、誰が書いても、似たような、読みやすいコードになります。

  • 強力なフォーマッターgofmtという公式のコードフォーマッターが用意されており、誰が書いても、インデントやスペースの使い方が、完全に統一されます。コードの見た目に関する、不毛な議論は生まれません。

 

このシンプルさのおかげで、プログラミング初心者にとっても、比較的学習しやすい言語と言えます。

2. 圧倒的な処理速度と、シングルバイナリ

  • コンパイルが超高速:Go言語は、コンパイル速度が驚異的に速く設計されています。大規模なプログラムでも、数秒でコンパイルが完了します。これにより、開発者は「コードを書く→試す」のサイクルを、ストレスなく、高速に回すことができます。

  • 実行速度も速い:Go言語は、C++やJavaと同様の「静的型付け言語」であり、コンパイルされてネイティブコード(機械語)として実行されるため、PythonやRubyといったインタプリタ言語に比べて、圧倒的に高速に動作します。

  • シングルバイナリ:Go言語でコンパイルされたプログラムは、**依存するライブラリなどがすべて一つにまとめられた、単一の実行ファイル(シングルバイナリ)**として生成されます。

    • これにより、A.exeというファイルさえあれば、Go言語がインストールされていない他のPCでも、そのファイルをコピーするだけで、すぐにプログラムを動かすことができます。サーバーへのデプロイ(配備)が、非常にシンプルになるのです。

 

3. 簡単で、安全な「並行処理」

Go言語の真骨頂とも言えるのが、この並行処理の扱いです。

Go言語には、**「Goroutine(ゴルーチン)」「Channel(チャネル)」**という、並行処理を驚くほど簡単に、そして安全に書くための、言語レベルの仕組みが組み込まれています。

  • Goroutine:関数の呼び出しの前にgoと書くだけで、その関数を、メインの処理とは独立した、別の流れ(スレッドのようなもの)で、非同期に実行できます。非常に軽量で、一台のPCで何十万、何百万というGoroutineを同時に動かすことも可能です。

  • Channel:これらの独立して動くGoroutine同士が、安全にデータをやり取り(通信)するための「パイプ」のような仕組みです。

 

これにより、Webサーバーが、何千、何万というクライアントからのリクエストを、同時に、効率よくさばくような、高度な並行処理プログラムを、驚くほどシンプルに記述することができます。
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Go言語で、具体的に何が作れるのか?

Go言語で、具体的に何が作れるのか?

 

Go言語の「高速」「並行処理に強い」「シングルバイナリで配布が楽」という特性は、特にサーバーサイドの領域で、その真価を発揮します。

 

  • Webサーバー / APIサーバーの開発

    • Go言語の標準ライブラリだけで、高性能なWebサーバーを簡単に構築できます。マイクロサービスアーキテクチャで、高速なAPIサーバーを開発するのに、非常に適しています。

  • コマンドライン(CLI)ツールの開発

    • シングルバイナリで配布できるため、OSを問わず、様々な環境で動くコマンドラインツールを作るのに、これ以上ないほど向いています。

    • コンテナ技術のDockerKubernetes、インフラ構築ツールのTerraformといった、現代のクラウド開発に不可欠なツールの多くが、実はGo言語で書かれています。

  • デスクトップアプリケーション

    • WailsやFyneといったライブラリを使えば、GUIを持つデスクトップアプリケーションも開発可能です。

  • IoTや組み込み

    • 処理速度が速く、メモリ使用量も少ないため、リソースが限られたIoTデバイスや、組み込みシステムの開発にも利用され始めています。

 

Go言語の将来性と、学ぶメリット

Go言語の将来性と、学ぶメリット

 

  • 将来性:★★★★★(極めて高い)

    • クラウドネイティブ時代を代表する言語として、その地位は確立されています。DockerやKubernetesといった、コンテナ技術のエコシステムがGo言語を中心に構築されているため、これらの技術が使われ続ける限り、Go言語の需要がなくなることはありません。

    • 大規模なWebサービスを運営する企業(特に、マイクロサービスアーキテクチャを採用する企業)で、バックエンド言語としてGo言語を採用するケースは、今後も増え続けるでしょう。求人数も右肩上がりで、将来性は非常に明るいです。

 

  • 学ぶメリット

    • 高いパフォーマンス:高速なサービスを開発できる。

    • 高い生産性:シンプルな文法と高速なコンパイルで、開発サイクルを速く回せる。

    • 高い需要と年収:扱えるエンジニアがまだ少ないため、市場価値が高く、高い年収が期待できる。

    • プログラミングの本質が学べる:余計な機能が削ぎ落とされている分、コンピューターの基本的な仕組みや、良いコードとは何か、という本質的な部分を学ぶのに非常に適しています。

 

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まとめ

まとめ

 

Go言語は、派手さや多機能さはありません。しかし、その**「シンプルさ」**という哲学の裏側には、現代の複雑なソフトウェア開発が抱える、根深い問題を解決するための、深い知恵と工夫が詰まっています。

 

高速なパフォーマンス、簡単な並行処理、そして何よりも、大規模なチームでも破綻しない、圧倒的なシンプルさと明快さ。

それは、プログラミングという行為を、本来あるべき「問題解決」という本質に立ち返らせてくれる、パワフルで、そしてエレガントな言語です。

 

もしあなたが、Webサービスの裏側を支える、力強いバックエンド開発に興味があるなら、あるいは、プログラミング言語の「複雑さ」に少し疲れてしまったなら、このGo言語の世界に、ぜひ足を踏み入れてみてください。きっと、コードを書くことの新しい楽しさと、その可能性を発見できるはずです。

 

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