
これは、プログラミング学習の第一歩を踏み出そうとする誰もがぶつかる、最初の、そして最大の壁です。ここで選択を誤ると、「難しすぎて挫折した」「学んだけれど、やりたいことができなかった」ということになりかねません。
しかし、安心してください。「最高のプログラミング言語」というものは存在しませんが、「あなたの目的に合った最高の言語」は必ず存在します。
この記事では、プログラミング知識ゼロの初心者でも、自分にぴったりの言語を見つけられるように、下記のポイントを具体的にわかりやすく解説します
- 言語選びの絶対的な大原則
- 「何を作りたいか?」目的別の最適言語
- 「学びやすさ」や「仕事」で選ぶ方法
- 初心者がやりがちなNGな選び方
大原則:すべては「何を作りたいか?」から始まる
プログラミング言語は、それぞれ得意なこと、苦手なことがあります。英語がビジネス会話に向き、フランス語が芸術を語るのに向いているように、言語にはそれぞれ「個性」と「用途」があるのです。
したがって、言語選びの最も重要な原則は、**「あなたがプログラミングで何を作りたいか、何をしたいか」**という目的から考えることです。
まずは、あなたの心の中にある「こんなものを作ってみたい!」というワクワクする気持ちを、以下のカテゴリーから探してみてください。
【目的別】あなたにぴったりのプログラミング言語はこれだ!
1. Webサイト・Webアプリケーションを作りたい
私たちが普段ブラウザで見ているWebサイトや、Web上で動くサービス(SNS、ECサイト、予約システムなど)を作りたい場合です。
ここは、大きく2つの領域に分かれます。
フロントエンド(見た目を作る側)
ユーザーが直接目にして操作する部分です。ここは選択肢がほぼ決まっています。
- HTML/CSS:プログラミング言語とは少し違いますが、Webページの骨格とデザインを作るための必須言語。まずはここから。
- JavaScript:Webページに「動き」をつけるための言語。「ボタンを押したら画像が変わる」といったインタラクティブな機能は、すべてJavaScriptの仕事です。現代のWeb開発に不可欠です。
バックエンド(裏側の仕組みを作る側)
ユーザーの目には見えない部分で、ログイン認証、データの保存、検索結果の表示などを行います。ここには様々な選択肢があります。
- Python:文法がシンプルで初心者におすすめ。AI分野でも活躍するため、将来性が非常に高いです。InstagramやYouTubeもPythonで作られています。
- Ruby:「Ruby on Rails」というフレームワーク(開発を楽にする骨組み)が強力で、スピーディーにWebサービスを開発できます。クックパッドやAirbnbが有名です。
- PHP:古くからWeb開発で使われており、学習情報が豊富。ブログ作成ツール「WordPress」はPHPで作られているため、Web制作の仕事で需要が高いです。
- Java:大規模で堅牢なシステム開発が得意。金融機関や大企業の業務システムで多く採用されており、求人数が安定して多いのが魅力です。
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2. スマートフォンアプリを作りたい
iPhoneやAndroidで動くアプリを作りたい場合です。OSによって使う言語が異なります。
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iPhone (iOS) アプリ
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Swift:Appleが開発した、モダンで学びやすい言語。今からiOSアプリを作るなら、ほぼSwift一択です。
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Androidアプリ
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Kotlin:Googleが公式に推奨している言語。Javaをより現代的に、安全に使えるように改良されており、人気が急上昇しています。
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両方のOSで動くアプリを同時に作りたい
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Flutter (使用言語: Dart) / React Native (使用言語: JavaScript):一つのコードでiOSとAndroidの両方のアプリを作れる「クロスプラットフォーム」技術。開発効率が良いため、スタートアップなどで人気があります。
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3. AI・機械学習・データ分析をやりたい
今、最もホットな分野です。画像認識、音声アシスタント、株価予測、医療診断支援など、様々な分野で活用されています。
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Python:この分野では、ほぼPythonが最強です。その理由は、「NumPy」「Pandas」「TensorFlow」「PyTorch」といった、AI開発やデータ分析を強力にサポートするライブラリ(便利な機能の詰め合わせ)が圧倒的に充実しているからです。AIをやりたいなら、迷わずPythonを選びましょう。
4. ゲームを作りたい
没入感のある3Dゲームから、スマホで遊べるカジュアルゲームまで、ゲーム開発も人気の分野です。
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C# (シーシャープ):ゲーム開発エンジン「Unity」で使われる言語。Unityは世界で最もシェアが高く、初心者でも扱いやすいため、ゲーム開発を始めたい人に最適です。『ポケモンGO』や『原神』の一部もUnityで作られています。
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C++ (シープラスプラス):もう一つの大手ゲームエンジン「Unreal Engine」で使われます。処理速度が非常に速く、最高品質のグラフィックを追求できますが、難易度はC#よりかなり高いです。
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JavaScript:ブラウザ上で動く、比較的シンプルなゲームを作るのに向いています。
目的がまだハッキリしない人へ:別の視点からの選び方

「将来、仕事にしやすい言語がいい」
そんなあなたには、別の視点からの選び方もあります。
「学習のしやすさ」で選ぶ
最初に学ぶ言語は、挫折しないことが何よりも大切です。以下の言語は、比較的文法がシンプルで、日本語の学習情報も豊富なため、初心者におすすめです。
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Python:読みやすく、書きやすい。汎用性も高いので、学んで損はありません。
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Ruby:日本人が開発した言語で、「書いていて楽しい」と感じる人が多いです。
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JavaScript:ブラウザさえあればすぐに実行できる手軽さが魅力。Web開発の必須スキルでもあります。
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「求人数の多さ」で選ぶ
エンジニアとして就職・転職を考えているなら、求人数の多さは重要な指標です。
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Java:大規模業務システムで圧倒的な需要があり、求人数は常にトップクラス。安定を求めるなら有力な選択肢です。
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JavaScript:どんなWeb開発にも必須のため、求人が絶えません。フロントエンドからバックエンド(Node.js)まで幅広く活躍できます。
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Python / PHP / Ruby:主にWeb系の開発企業からの求人が豊富です。特にPythonはAI関連の求人も急増しています。
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初心者がやりがちな「NGな言語の選び方」
最後に、失敗を避けるために、初心者が陥りがちな間違った選び方を知っておきましょう。
NG1:「なんとなく人気だから」で選ぶ
目的もなく、ただ流行っているからという理由で選ぶと、学習途中で「これ、何のためにやってるんだっけ?」とモチベーションを失いがちです。
NG2:「処理速度が速いから」といったスペックで選ぶ
C++などがこれにあたります。処理速度が重要になる場面はありますが、初心者の学習段階ではほとんど関係ありません。
まずは、学びやすさや目的との合致を優先しましょう。
NG3:いきなり複数の言語を同時に学ぼうとする
これは確実に混乱し、挫折への最短ルートです。
まずは一つの言語に集中し、基礎をしっかり固めましょう。
まとめ:最初の一歩は「触ってみる」こと
プログラミング言語の選び方について、様々な角度から解説してきました。あなたが進むべき道は、少し見えてきたでしょうか?
もし、まだ迷っているなら、気になる言語を一つ選んで、Progateのような学習サイトで実際に触れてみてください。
完璧な選択をしようと悩み続けるよりも、まず一歩踏み出してみることが何よりも大切です。「ちょっと違うな」と思ったら、また別の言語を試せばいいのです。
プログラミングは、あなたのアイデアを形にできる魔法のようなスキルです。この記事が、あなたの素晴らしい冒険の始まりとなることを、心から願っています。
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