【初心者向け】サーバーエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!

【初心者向け】サーバーエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!

【初心者向け】サーバーエンジニアとは?仕事内容からなり方まで徹底解説!
疑問に思う顔
「Webサイトのデータって、どこに保存されているの?」
「スマホゲームのセーブデータは、どうしてどの端末からでも同じ状態で始められるの?」

私たちが普段何気なく利用しているWebサイトやオンラインサービス。

その膨大なデータを保管し、私たちのリクエストに応じていつでも正確な情報を提供してくれる、ITシステムの「心臓部」。それが**「サーバー」**です。

 

そして、このシステムの心臓部であるサーバーの設計、構築、そして安定稼働を24時間365日支え続ける専門家、それが**「サーバーエンジニア」**です。

 

一言でいうと、サーバーエンジニアとは**「ITサービスが動くための『土地と建物』を用意し、その建物が常に最高の状態で機能するように管理・メンテナンスする建築家兼管理人」**のことです。

 

この記事では、IT初心者の方でもサーバーエンジニアの仕事がわかるように、わかりやすく解説していきます。

 

  • サーバーエンジニアの具体的な仕事内容

  • なぜサーバーエンジニアが不可欠なのか?

  • 仕事のやりがいと大変さ

  • サーバーエンジニアになるためのステップ

 

サーバーエンジニアの仕事:「土地と建物」を用意し、守り抜く

サーバーエンジニアの仕事:「土地と建物」を用意し、守り抜く

 

サーバーエンジニアの仕事は、一度サーバーを構築したら終わりではありません。サーバーがその役割を終えるまで、その一生に寄り添い、安定稼働に責任を持ちます。仕事は大きく「設計」「構築」「運用・保守」の3つのフェーズに分かれます。

 

1. 設計フェーズ:「理想の建物」の設計図を描く

すべての始まりは、顧客や企画担当者の「こんなサービスを作りたい」という要望からスタートします。

サーバーエンジニアは、そのサービスを動かすために、どんなサーバーが必要かを考え、設計図を描きます。

 

  • 要件定義:「1日に100万人がアクセスするWebサイトを作りたい」「絶対に漏れてはいけない個人情報を扱うシステムだ」といった要件をヒアリングします。

  • サーバーの選定(サイジング):要件に基づき、必要なサーバーの台数、CPUの性能、メモリやストレージの容量などを計算し、最適な機種を選定します。これを「サイジング」と呼びます。大きすぎれば無駄なコストがかかり、小さすぎれば性能不足でサービスが遅くなります。まさに腕の見せ所です。

  • OSの選定:サーバーを動かすための基本ソフト(OS)を選びます。Webサーバーなどでは、オープンソースで無料の**Linux(リナックス)**が圧倒的なシェアを誇っており、サーバーエンジニアにとってLinuxの知識は必須です。企業の基幹システムでは、Windows Serverが使われることもあります。

  • 構成の設計:1台のサーバーが故障してもサービスが止まらないように、複数台で同じ役割を担わせる「冗長化」や、アクセス数に応じて処理を分散させる「負荷分散(ロードバランシング)」といった、安定稼働のための構成を設計します。

 

2. 構築フェーズ:設計図を「現実の建物」にする

設計図が完成したら、いよいよ「建設工事」の開始です。物理的な作業と、ソフトウェア的な設定の両方を行います。

物理的な構築(オンプレミスの場合)

  • ラッキング:データセンターに行き、サーバー本体を「ラック」と呼ばれる棚に設置し、電源ケーブルやLANケーブルを配線します。
  • この物理的な構築作業は、クラウドの普及により減少傾向にありますが、データセンターで働くエンジニアにとっては今も重要な仕事です。

 

ソフトウェア的な構築

  • OSのインストール:選定したLinuxやWindows Serverをサーバーにインストールします。
  • 各種設定:セキュリティを強化するための設定(不要なサービスの停止、ファイアウォールの設定など)や、ネットワークの設定(IPアドレスの設定など)を行います。
  • ミドルウェアのインストール:OSとアプリケーションの間で働くソフトウェア(ミドルウェア)をインストールします。例えば、Webサイトを公開するためのWebサーバーソフト(Apache, Nginx)や、データを管理するためのデータベースソフト(MySQL, PostgreSQL)などです。

 

この構築作業を終えて初めて、プログラマーが作ったアプリケーションを動かすための「舞台」が整うのです。

3. 運用・保守フェーズ:「建物」を24時間365日、最高の状態に保つ

サーバーは、一度動き出したら、止まることは許されません。

サーバーエンジニアは、システムの安定稼働を守る「管理人」として、日々の運用と保守を行います。

 

  • 監視:専用のツールを使って、サーバーの稼働状況を24時間監視します。「CPUの使用率が90%を超えている」「メモリの空き容量が少ない」といったリソースの状態や、ログファイルにエラーが出ていないかを常にチェックします。

  • 障害対応:「サーバーが応答しない」「Webサイトが表示されない」といった障害が発生した際に、原因を特定し、迅速に復旧作業を行います。まさにサーバーの「お医者さん」です。原因はハードウェアの故障からソフトウェアのバグまで様々で、幅広い知識と経験が問われます。

  • パフォーマンスチューニング:「サイトの表示が遅い」といった問題に対し、設定を見直してサーバーの性能を最大限に引き出す「チューニング」を行います。

  • バックアップ・アップデート:万が一のデータ消失に備えて定期的にバックアップを取ったり、セキュリティの脆弱性を修正するためにOSやミドルウェアのアップデートを行ったりします。

 

関連記事

「運用と保守って、何が違うの?」「開発と比べて、地味でスキルが身につかないって本当?」「夜勤や障害対応があって大変そう…」   プログラミングを学ぶ多くの人が、「新しいサービスをゼロから作る」「革新的なアプリを開発[…]

【初心者向け】運用・保守エンジニアとは?ITシステムを守る「医者」の仕事内容とキャリアパス

 

サーバーエンジニアの重要性

サーバーエンジニアの重要性

 

サーバーは、ITサービスの「すべて」を支えています。

  • データの保管庫:Webサイトのテキストや画像、顧客の個人情報、ゲームのセーブデータなど、あらゆるデータはサーバーに保存されています。サーバーがなければ、データは存在できません。

  • 処理の実行役:私たちがWebサイトで検索ボタンを押したとき、その検索処理を実行しているのはサーバーです。ECサイトで商品を購入したときの決済処理も、すべてサーバーが行っています。

  • サービスの提供元:私たちがブラウザやアプリからアクセスしている先は、すべてサーバーです。サーバーが動いていなければ、サービスそのものが提供されません。

 

このように、サーバーエンジニアは、デジタル社会の「土台中の土台」を支える、極めて重要な役割を担っているのです。
関連記事

「この会計ソフト、便利だなあ」「スマホのゲームアプリ、面白くてつい夢中になっちゃう!」 私たちが仕事やプライベートで日常的に使っている、これらの便利なソフトウェアやアプリケーション。 その裏側には、ユーザーの「こんなことがし[…]

【初心者向け】アプリケーションSEとは?仕事内容からやりがいまでを徹底解説!

サーバーエンジニアのやりがいと大変さ

 

システムの心臓部を預かる仕事ならではの、喜びと苦労があります。

 

やりがい

  • ITインフラの根幹を支える実感:自分が構築・運用しているサーバーの上で、何万人、何百万人もの人が利用するサービスが動いているという、強い責任感と社会貢献性を感じられます。

  • トラブルを解決したときの達成感:原因不明の困難な障害を、自分の知識と経験を総動員して解決し、サービスを復旧させたときの達成感は計り知れません。

  • 深い技術知識が身につく:ハードウェア、OS、仮想化技術、ミドルウェアなど、コンピューターの低レイヤー(根幹に近い部分)に関する深い知識が身につきます。これは、他のどんなIT職種にも応用できる普遍的なスキルです。

 

大変さ

  • 責任の重さとプレッシャー:サーバーの停止は、即サービスの停止につながり、ビジネスに大きな損害を与えます。常にミスが許されないというプレッシャーがあります。

  • 地道で細かい作業が多い:コマンドラインでの設定や、膨大なログの解析など、地道で根気のいる作業が仕事の多くを占めます。

  • 夜間・休日の緊急対応:障害はいつ起こるかわかりません。24時間体制の監視業務や、緊急の呼び出しに対応することもあります。

 

サーバーエンジニアになるには?

サーバーエンジニアになるには?

 

未経験からでも、正しいステップを踏めばサーバーエンジニアを目指すことは十分に可能です。

 

  1. コンピューターの基礎とLinuxを学ぶ
    まずは、コンピューターが動く仕組み(ハードウェア、OS)の基礎と、サーバーOSの主流である**「Linux」**の操作を徹底的に学びましょう。Linuxのコマンド操作は、サーバーエンジニアの必須スキルです。

  2. 資格を取得して知識を証明する
    サーバーエンジニアのスキルは目に見えにくいため、資格が知識の客観的な証明になります。

    • LPIC / LinuC:Linux技術者認定資格。世界標準のLPICか、日本市場に特化したLinuCのどちらか、まずはレベル1の取得を目指しましょう。

    • CCNA:ネットワークの知識も不可欠なため、ネットワークの基礎資格であるCCNAも取得しておくと、非常に有利になります。

  3. 仮想環境でサーバーを構築してみる
    自分のPCに「VirtualBox」などの仮想化ソフトをインストールすれば、無料で仮想的なサーバーを何台も作ることができます。実際にLinuxをインストールし、Webサーバーを立ててみるなど、手を動かして経験を積むことが重要です。

  4. 運用・保守業務からキャリアをスタート
    未経験の場合、まずはデータセンターや企業の監視部門で、サーバーの運用・保守業務からキャリアを始めるのが一般的です。ここで実務経験を積み、障害対応のスキルを磨きながら、徐々に構築や設計といった上流工程へとステップアップしていきます。

 

まとめ

まとめ

 

サーバーエンジニアは、ITサービスの安定稼働という「当たり前」を、その深い知識と技術力で静かに、しかし力強く支える、まさに「縁の下の力持ち」です。

コンピューターの仕組みを深く探求するのが好きで、地道な作業の中から問題解決の糸口を見つけ出すことに喜びを感じる。そして、社会の基盤を支える仕事に誇りを持てる。そんなあなたにとって、サーバーエンジニアは、確かなスキルと大きなやりがいを手にできる、最高のキャリアとなるでしょう。

 

関連記事

「Webサイトがいつでも見られるのはなぜ?」「スマホゲームで、世界中の人といつでも対戦できるのはどうして?」 私たちが当たり前のように使っているITサービス。 その「当たり前」を裏側で支えているのが、**「インフラSE(イン[…]

【初心者向け】インフラSEとは?仕事内容からやりがいまでを徹底解説!