
「自分のPCにデータベースをインストールする方法が、難しくてよくわからない…」
「無料で使えて、プロも現場で使っているDBを知りたい!」
プログラミング学習を進める中で、多くの人が「自分で作ったアプリケーションのデータを保存したい」という欲求に駆られます。
それを実現する技術が**「データベース(DB)」**です。
この記事では、数あるデータベースの中から、プログラミング初心者に最適で、完全無料で使え、なおかつプロの現場でも広く採用されている、超おすすめのデータベースを3つ厳選しました。
データベース選びの前提知識:あなたに合うDBはどれ?
まず、今回ご紹介する3つの無料データベースの特徴を簡単に見ていきましょう。
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MySQL(マイ・エスキューエル)
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特徴: 世界で最も広く使われているオープンソースDB。Web開発の「王道」とも言える存在。
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こんな人におすすめ: WordPressを使ったブログ構築や、PHP/Rubyを使ったWebアプリ開発をしたい人。情報が豊富なので、困った時に解決策を見つけやすい。
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PostgreSQL(ポストグレス・キューエル)
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特徴: MySQLと人気を二分する高機能なオープンソースDB。「ポスグレ」の愛称で親しまれる。近年、モダンな開発環境での採用が急増中。
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こんな人におすすめ: 最新のWebサービス開発に挑戦したい人。Herokuなどのクラウドサービスでアプリを公開したい人。
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SQLite(エスキュー・ライト)
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特徴: サーバー不要で、単一のファイルとして動作する超軽量DB。インストールと設定が圧倒的に簡単。
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こんな人におすすめ: とにかく手軽にデータベースを体験してみたい人。Pythonでデータ分析やツール開発をしたい人。
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① MySQL(マイ・エスキューエル):みんなが使う「王道のファミリーレストラン」
一言でいうと、「困ったらコレを選んでおけば間違いない、超定番データベース」です。
もしデータベースを飲食店に例えるなら、MySQLは全国どこにでもある、メニューが豊富なファミリーレストランのような存在です。
MySQLの特徴
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とにかく有名で、利用者が多い!
世界中のWebサイトやWebサービスで圧倒的なシェアを誇ります。あなたが普段使っているサービスの裏側でも、きっとMySQLが動いています。利用者が多いということは、それだけ信頼性が高い証拠です。 -
情報が見つけやすい!
ファミレスのメニューについてネットで調べれば、すぐに情報が出てきますよね?それと同じで、MySQLは利用者が多いため、学習情報やトラブル解決法がインターネット上に溢れています。エラーで困っても、検索すれば日本語の記事や解説動画がすぐに見つかるので、初心者にとっては非常に心強い味方です。 -
Web開発との相性が抜群!
特に、ブログシステムとして有名な「WordPress」や、プログラミング言語の「PHP」を使った開発では、昔からMySQLがセットで使われてきました。Web開発の世界では「とりあえずMySQL」と言われるほどのスタンダードな存在です。
【どんな人におすすめ?】
「何から始めればいいか分からない…」と迷っている初心者の方。
「将来、WebサイトやWebサービスを作りたい」と考えている方。
「エラーで詰まった時に、すぐに答えを見つけたい」という方。
② PostgreSQL(ポストグレス・キューエル):こだわり派が集う「お洒落なカフェレストラン」
一言でいうと、「多機能で拡張性が高く、モダンな開発で人気急上昇中の実力派データベース」です。 愛称は「ポスグレ」。
PostgreSQLは、定番のメニューも美味しいけれど、シェフこだわりの創作料理や、珍しいドリンクも楽しめるお洒落なカフェレストランのようなイメージです。
PostgreSQLの特徴
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MySQLより多機能で、複雑な処理が得意!
ファミレスが幅広い客層に対応するのに対し、カフェレストランは少し凝った料理を提供しますよね。PostgreSQLも同様に、MySQLにはない高度な機能がたくさん備わっています。例えば、地図データ(位置情報)を扱ったり、より複雑なデータ構造を管理するのが得意です。 -
厳密で、データの一貫性を重視!
「この料理には、この食材しか使わない」というシェフのこだわりのように、PostgreSQLはデータの正確性や一貫性を非常に厳しく守ろうとします。これにより、金融システムのような、絶対に間違いが許されない場面でも安心して利用できる堅牢さを持っています。 -
最近の開発で人気が高い!
Ruby on RailsやPython(Django)といったモダンなWeb開発フレームワークや、Herokuのようなクラウドサービスでは、PostgreSQLが標準のデータベースとして推奨されることが多く、近年、スタートアップ企業などを中心に採用が急増しています。
【どんな人におすすめ?】
「どうせ学ぶなら、高機能で本格的なものに挑戦したい」という方。
「最新の技術トレンドに乗りたい」と考えている方。
「将来、複雑なデータ分析や地図アプリなどを作ってみたい」という方。
③ SQLite(エスキュー・ライト):どこでも開ける「便利なキッチンカー」
一言でいうと、「サーバー不要で超軽量!手軽にサクッと使えるファイルベースのデータベース」です。
SQLiteは、大きな店舗を構えるレストランとは違い、必要な場所に移動してすぐに営業できるキッチンカーにそっくりです。
SQLiteの特徴
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インストールが驚くほど簡単(または不要)!
MySQLやPostgreSQLが、厨房設備や客席が必要な「店舗」だとすると、SQLiteは全ての機能が車一台にまとまった「キッチンカー」です。特別なインストール作業はほとんど不要で、PCによっては最初から入っています。データベース全体が、たった一つのファイルとして保存されるため、管理が非常に楽です。 -
サーバーが不要で、どこでも動く!
MySQLたちは「サーバー」という常駐プログラムを動かし続ける必要がありますが、SQLiteはアプリが呼び出した時だけ動きます。そのため、スマホアプリやデスクトップアプリ、IoT機器など、サーバーを立てられない環境にデータを保存するのに最適です。 -
小規模な用途にピッタリ!
キッチンカーでフルコースを提供するのは難しいように、SQLiteも大量のユーザーが同時にアクセスするような大規模なWebサービスには向きません。しかし、個人用のツール開発や、プログラミングの学習、簡単なデータ分析など、「ちょっとデータを保存しておきたい」という場面では、その手軽さが絶大な威力を発揮します。
【どんな人におすすめ?】
「とにかく面倒な設定なしで、今すぐデータベースを触ってみたい」という方。
「Pythonを使って、自分のPCで動くデータ分析ツールを作りたい」という方。
「スマホアプリにデータを保存する仕組みを学びたい」という方。
まとめ:最初の一歩を踏み出そう
今回は、無料で使えるおすすめのデータベース3選と、そのインストール方法を解説しました。
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情報量と汎用性で選ぶなら → MySQL
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モダンな開発と機能性で選ぶなら → PostgreSQL
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手軽さとシンプルさで選ぶなら → SQLite
もしあなたがWebアプリケーション開発を本格的に学びたいのであれば、MySQLかPostgreSQLのどちらかをインストールしておくことを強く推奨します。
この記事を参考に、まずはどれか一つでもいいので、自分のPCにデータベースを導入してみてください。
その一歩が、あなたの作れるものの幅を劇的に広げ、エンジニアとしてのキャリアを切り拓く、大きな一歩となるはずです。