【IT資格取得の完全ロードマップ】キャリアプラン別・おすすめの順番を徹底解説!

【IT資格取得の完全ロードマップ】キャリアプラン別・おすすめの順番を徹底解説!

【IT資格取得の完全ロードマップ】キャリアプラン別・おすすめの順番を徹底解説!
困った顔で働く会社員のイラスト(男性)
「IT業界でキャリアアップしたいけど、どの資格から取ればいいの?」
「資格の数が多すぎて、最適な学習ルートがわからない…」

IT資格の取得を目指す多くの人が、このような「順番」の悩みに直面します。

実は、この資格取得の順番こそが、効率的なスキルアップとキャリア形成の鍵を握っているのです。

 

家を建てる時、土台から作り、柱を立て、屋根を葺くように、資格学習にも適切な順序があります。基礎知識なしにいきなり専門資格に挑んでも挫折しやすく、遠回りになってしまいます。

 

そこでこの記事では、あなたの現在地と目指すゴールに合わせて、最適な「資格取得ロードマップ」を複数提案します。IT未経験者から中堅エンジニアまで、誰が読んでも自分だけのルートを見つけられるよう、具体的かつ分かりやすく解説します。

 

なぜ「順番」が重要なのか?

なぜ「順番」が重要なのか?

 

本題に入る前に、なぜ資格取得の順番が重要なのかを整理しておきましょう。

  1. 知識の土台ができる:基礎資格でITの全体像を掴むことで、専門資格の学習内容がスムーズに頭に入ってきます。

  2. モチベーションが続く:いきなり超難関資格に挑むより、段階的にステップアップする方が成功体験を積みやすく、モチベーションを維持できます。

  3. キャリアプランと連動する:「将来マネージャーになりたい」「クラウドの専門家になりたい」といった目標から逆算してルートを決めることで、取得した資格が無駄になりません。

それでは、具体的なロードマップを見ていきましょう。

 

STEP 1:すべての始まり【ITパスポート試験】

STEP 1:すべての始まり【ITパスポート試験】

 

対象者

IT業界未経験の学生、IT業界に転職を考えている社会人、非エンジニア職の社会人

 

ITの世界への最初の扉、それが「ITパスポート(iパス)」です。

これは、ITエンジニアだけでなく、ITを利用するすべての人を対象とした国家資格です。

 

学習内容

ITの基本的な仕組み、情報セキュリティ、企業活動や経営に関する初歩的な知識など。

 

この資格から始める理由

IT業界の「共通言語」を学べます。エンジニアと話す時、ニュースでIT用語が出てきた時、その意味が理解できるだけで世界は大きく変わります。

エンジニアを目指す方にとっては、この後の学習をスムーズにするための最高の準備運動になります。

 

STEP 2:ITエンジニアの基礎固め【基本情報技術者試験(FE)】

STEP 2:ITエンジニアの基礎固め【基本情報技術者試験(FE)】

対象者

 新人・若手SE、ITパスポートに合格した方

ITエンジニアとしてのキャリアを本格的にスタートさせるなら、避けては通れないのが「基本情報技術者試験(FE)」です。

多くの企業が新人研修で取得を推奨する、まさに**「ITエンジニアの登竜門」**です。

 

学習内容

ITパスポートより一歩踏み込んだ、コンピュータサイエンスの基礎、ネットワーク、データベース、プログラミングの考え方(アルゴリズム)、プロジェクトマネジメントなど、エンジニアに必要な知識を網羅的に学びます。

 

この資格から始める理由

IT技術の「地図」を手に入れることができます。

この資格で学ぶ知識は、この先どんな専門分野に進むにしても必ず土台となります。

ここでしっかり基礎を固めておくことで、後の専門資格の学習効率が飛躍的に向上します。

 

STEP 3:中堅エンジニアへのステップアップ【応用情報技術者試験(AP)】

STEP 3:中堅エンジニアへのステップアップ【応用情報技術者試験(AP)】

対象者

 実務経験3〜5年程度の中堅SE、基本情報に合格した方

基本情報で得た知識を、より実践的なレベルへと引き上げるのが「応用情報技術者試験(AP)」です。

この資格は、多くのキャリアパスへの分岐点となる重要な存在です。

 

学習内容

技術的な知識に加え、顧客の課題を分析してシステムを設計する「上流工程」や、IT戦略といった経営寄りの視点が問われます。

午後試験が記述式になるため、知識を自分の言葉で説明する能力が必要になります。

 

この資格を取る意味

「指示されたものを作る」エンジニアから、「自ら考えて提案・設計できる」エンジニアへと成長していることの証明になります。

この資格を取得すると、次に紹介する「高度試験」の一部が免除されるメリットもあり、キャリアの選択肢が大きく広がります。

 

 

STEP 4:キャリアの分岐点!専門分野への道

STEP 4:キャリアの分岐点!専門分野への道

 

応用情報技術者試験に合格したら、いよいよあなたの目指すキャリアに合わせて専門分野を選び、資格取得を進めていきます。

ここでは代表的な3つのルートをご紹介します。

 

ルートA:マネジメントへの道【プロジェクトマネージャ(PM)を目指す】

チームやプロジェクトを率いるリーダーを目指す方のための王道ルートです。

 

  1. 応用情報技術者試験(AP):マネジメントの基礎と技術の応用力を証明。

  2. プロジェクトマネージャ試験(PM):AP合格後、PL(プロジェクトリーダー)などの経験を積みながら、最終目標としてこの国家資格最高峰のPM試験に挑戦します。論文試験が課されるため、実務経験が不可欠です。

 

国際資格という選択肢

もしグローバルな環境で活躍したいなら、PMI®が認定する国際資格「PMP® (Project Management Professional)」を目指すのも良いでしょう。

PM試験と並行して学習したり、どちらか一方に絞ったりと、自身のキャリアに合わせて選択します。

 

ルートB:技術を極める道【ITスペシャリストを目指す】

特定の技術分野で誰にも負けない専門家を目指すルートです。応用情報合格後、自身の興味や業務内容に合わせて専門分野を選択します。

【ネットワークスペシャリストを目指す場合】

  1. 応用情報技術者試験(AP)

  2. ネットワークスペシャリスト試験(NW)

 

【データベーススペシャリストを目指す場合】

  1. 応用情報技術者試験(AP)

  2. データベーススペシャリスト試験(DB)

 

【セキュリティスペシャリストを目指す場合】

  1. 応用情報技術者試験(AP)

  2. 情報処理安全確保支援士試験(SC)

 

この順番の理由:応用情報で幅広い技術の応用力を身につけた後、特定の分野を深く掘り下げることで、専門知識がより強固なものになります。APで得たシステム全体の視点が、専門分野の設計・構築にも活きてきます。

ルートC:クラウドのプロへの道【クラウドエンジニアを目指す】

今最も需要が高く、将来性も抜群のクラウド分野の専門家を目指す、非常に実践的なルートです。

 

  1. 基本情報技術者試験(FE):まずはITの基礎を固めます。

  2. LinuC / LPIC(レベル1):クラウドサーバーのOSとして圧倒的なシェアを誇るLinuxの技術力を証明します。コマンド操作やシステム管理の基礎は、クラウドを扱う上で必須スキル。これを先に学ぶことで、後のクラウド資格の学習が格段に楽になります。

  3. 主要クラウドベンダー資格(アソシエイトレベル):自身の関わる案件や興味に応じて、以下のいずれかを選択します。

    • AWS 認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト (SAA):シェアNo.1。案件数が多く、まず目指すべき定番。

    • Microsoft Azure Administrator Associate (AZ-104):エンタープライズ(大企業)に強い。

    • Google Cloud Associate Cloud Engineer (ACE):データ分析やAIに強み。

  4. 応用情報技術者試験(AP):クラウドの実践スキルに加え、システム全体の設計力やマネジメント知識をここで補強し、より市場価値の高いエンジニアを目指します。

  5. 各クラウドの上位資格(プロフェッショナルレベル):AWS SAPなど、さらなる高みを目指します。

 

この順番の理由:このルートは、国家資格で「体系的な知識」を、ベンダー資格で「実践的なスキル」をバランス良く習得できるのが特徴です。特に、Linux→クラウドという順番は、インフラの基礎から応用へとスムーズにステップアップできる黄金ルートと言えるでしょう。

まとめ:資格はキャリアを導く「地図」である

まとめ:資格はキャリアを導く「地図」である

ここまで、様々なキャリアプランに合わせた資格取得のロードマップを解説してきました。

 

【王道プラン】

ITパスポート → 基本情報 → 応用情報 → PM or スペシャリスト

 

【クラウド特化プラン】

基本情報 → LinuC/LPIC → AWS SAA → 応用情報 → AWS SAP

 

あなたが進むべき道は見えてきたでしょうか?

最も大切なのは、他人の真似をするのではなく、あなた自身の「なりたい姿」を思い描き、そこから逆算して自分だけのロードマップを設計することです。

資格は、取得することがゴールではありません。それは、あなたのキャリアという長い旅を、より豊かで確かなものにするための「地図」であり「コンパス」なのです。

 

この記事を参考に、ぜひあなただけの冒険の地図を描き、未来への第一歩を踏み出してください。

 

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