
「Core i5?メモリ8GB?SSDって何?」
家電量販店や通販サイトを見ると、たくさんの専門用語が並んでいて、途方に暮れてしまいますよね。
高価な買い物だからこそ、失敗したくないものです。
この記事は、そんなパソコン初心者の方のために、自分にぴったりの一台を見つけるための「選び方の地図」となることを目指します。
難しい専門用語はできるだけわかりやすい言葉に置き換え、「何に使うか」という一番大切なポイントから、おすすめのスペックまで丁寧に解説していきます。
パソコン選びの第一歩:「何に使うか」を決めよう!
パソコン選びで最も重要なのは、「そのパソコンで何をしたいか」を明確にすることです。
用途によって必要な性能は大きく変わります。まずは、ご自身の使い方をイメージしてみましょう。
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ライトな使い方: インターネット検索、YouTubeなどの動画視聴、メール、LINEなど
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一般的な使い方: 上記に加えて、WordやExcelでのレポート作成、家計簿管理、オンライン授業や在宅ワーク(ビデオ会議)
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少し重い使い方: デジカメで撮った写真の整理・編集、簡単な動画編集、イラスト制作
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ヘビーな使い方: 本格的な動画編集、3Dグラフィックス作成、高画質なPCゲーム
自分の使い方がどのあたりに当てはまるか、ざっくりと把握しておくだけで、パソコン選びはぐっと楽になります。
パソコンの種類を知ろう
パソコンには、大きく分けて3つのタイプがあります。
それぞれの特徴を知って、自分のライフスタイルに合うものを選びましょう。
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デスクトップPC
モニターと本体が分かれている、据え置き型のパソコンです。-
メリット: 同じ価格ならノートPCより高性能。パーツの交換や増設(拡張性)がしやすく、大画面で作業できる。
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デメリット: 場所を取り、持ち運びができない。
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ノートPC
本体とモニター、キーボードが一体になった、持ち運びができるパソコンです。現在の主流です。-
メリット: 省スペースで、家の中はもちろん、カフェや大学など好きな場所に持ち運べる。
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デメリット: デスクトップPCに比べて拡張性が低く、同程度の性能だと価格が高めになる傾向がある。
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2-in-1 PC
キーボード部分を取り外したり、360度回転させたりすることで、タブレットのようにも使えるノートPCです。-
メリット: ノートPCとタブレットのいいとこ取り。タッチ操作やペン入力ができるモデルも多い。
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デメリット: 同じスペックのノートPCより高価になりがち。
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特にこだわりがなければ、場所を選ばずに使えるノートPCが最も汎用性が高くおすすめです。家でしか使わないと決めている場合でも、リビングや寝室など、好きな場所で使えるメリットは大きいでしょう。
【最重要】スペックの見方を覚えよう!
ここが一番の山場です。でも、大丈夫。
一つひとつを身近なものに例えながら解説しますので、リラックスして読んでください。
① OS:パソコンを動かす「基本ソフト」
OSは、パソコン全体を管理し、私たちがアプリを使えるようにしてくれる最も基本的なソフトウェアです。主に3つの選択肢があります。
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Windows (ウィンドウズ): 世界で最も多くのパソコンに搭載されているOSです。「標準服」のような存在で、対応しているソフトや周辺機器が圧倒的に多く、情報も探しやすいのが特徴。迷ったらこれを選んでおけば間違いありません。
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macOS (マックオーエス): Apple社のMacシリーズ(MacBookなど)に搭載されているOSです。「おしゃれなデザイナーズブランド服」のようなイメージ。デザイン性が高く、直感的な操作が魅力です。iPhoneやiPadとの連携もスムーズで、クリエイティブな作業をする人に人気があります。
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Chrome OS (クロームオーエス): Googleが開発したOSで、「動きやすいジャージ」に例えられます。動作が非常に軽く、インターネットやドキュメント作成といったWeb中心の作業に特化しています。価格が安いモデルが多いのも特徴です。
② CPU:パソコンの「頭脳」
CPUは、パソコンの処理性能を左右する最も重要なパーツです。人間でいえば「頭の回転の速さ」にあたります。CPUの性能が高いほど、パソコンはサクサク快適に動きます。
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主なメーカー: Intel (インテル) と AMD (エーエムディー) の2社があります。
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性能の目安 (数字が大きいほど高性能):
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Intel: Core i3 → Core i5 → Core i7 → Core i9
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AMD: Ryzen 3 → Ryzen 5 → Ryzen 7 → Ryzen 9
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一般的な使い方であれば、**Intelの「Core i5」またはAMDの「Ryzen 5」**を選んでおけばまず間違いありません。これらは性能と価格のバランスが良く、数年間は快適に使える「優等生」的な存在です。ネットサーフィンが中心ならCore i3 / Ryzen 3でも十分ですが、少し余裕を持たせておくと後々安心です。
③ メモリ:作業机の「広さ」
メモリは、CPUが処理するデータを一時的に置いておく場所です。「作業机の広さ」と考えるとわかりやすいでしょう。机が広いほど、たくさんの教科書やノートを同時に広げて作業できますよね。
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4GB: 安価なモデルにありますが、現代のパソコンでは「小さな子供用の机」のようなもの。すぐにいっぱいになり動作が遅くなる原因になるため、避けるのが賢明です。
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8GB: 「標準サイズの机」。インターネットを見ながらWordで文書を作成するといった、一般的な使い方なら十分快適です。
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16GB: 「広々とした大きな机」。複数のアプリを同時に立ち上げたり、写真編集をしたりしても余裕があります。これから長く快適に使いたいなら、16GBを選んでおくと安心感が高いです。
④ ストレージ:データを保存する「本棚」
ストレージは、作成したファイルや写真、アプリなどを長期的に保存しておく場所です。「本棚」や「クローゼット」をイメージしてください。
ストレージには、種類と容量の2つのポイントがあります。
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種類:SSDを選ぼう!
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SSD (ソリッド・ステート・ドライブ): データを高速に読み書きできる、現代の主流です。「出し入れしやすい最先端の本棚」で、パソコンやアプリの起動が劇的に速くなります。
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HDD (ハード・ディスク・ドライブ): 大容量で安価ですが、読み書き速度はSSDに劣ります。「大容量の倉庫」のようなもので、データの出し入れに時間がかかります。
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パソコンの快適さを左右する最大の鍵は、絶対にSSD搭載モデルを選ぶことです。一度SSDの速さを体験すると、もうHDDには戻れません。
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容量:どれくらい保存したい?
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256GB: 「一人暮らし用の本棚」。OSや基本的なソフトを入れると、残りの空き容量は意外と少なくなります。データをクラウドに保存する人ならOKです。
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512GB: 「ファミリー向けの本棚」。写真や書類、いくつかのアプリを余裕をもって保存できます。迷ったらこの容量がおすすめです。
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1TB (1000GB)以上: 「図書館クラスの本棚」。動画をたくさん保存したり、PCゲームをインストールしたりする人向けです。
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用途別おすすめスペックまとめ
最後に、これまでの内容を元に、具体的なおすすめスペックを3つのパターンでご紹介します。
パターンA:インターネットや動画、簡単な書類作成が中心の方
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CPU: Core i3 / Ryzen 3
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メモリ: 8GB
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ストレージ: SSD 256GB
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こんな人へ: とにかく価格を抑えたい学生さんや、ご家庭での基本的な用途に。
パターンB:在宅ワークやオンライン授業で、ストレスなく使いたい方(一番おすすめ!)
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CPU: Core i5 / Ryzen 5
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メモリ: 8GB(できれば16GB)
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ストレージ: SSD 512GB
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こんな人へ: ほとんどの人にとって、これが最もバランスの取れた構成です。迷ったらこのスペックを選びましょう。数年間、快適に使い続けられます。
パターンC:写真・動画編集など、クリエイティブなことにも挑戦したい方
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CPU: Core i7 / Ryzen 7
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メモリ: 16GB
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ストレージ: SSD 512GB以上
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こんな人へ: 趣味や副業で、少し負荷のかかる作業も快適に行いたい方に。
まとめ
パソコン選びは、一見難しそうに見えますが、ポイントさえ押さえれば大丈夫です。
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まずは「何に使いたいか」を明確にする
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迷った時の魔法の言葉は「CPUはCore i5、メモリは8GB、ストレージはSSD 256GB以上」
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少し予算を足してスペックを上げるなら、メモリ(8GB→16GB)かストレージ(256GB→512GB)がおすすめ